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N.I.N.A.のオートフォーカス バックラッシュ編

  N.I.N.A.のオートフォーカスを使用し、FSQ-130EDに645レデューサのバックラッシュを調整しました。フォーカサーには定番のZWOのEAFを使用しています。これまではオートフォーカスを行った後に手動で補正をしていました。 最初に、ASCOMドライバーの設定から始めました。 ZWOのASCOMドライバーの設定 ASCOMドライバーのバックラッシュは重複補正を避けるために0に設定します。 大まかなバックラッシュの量を前回のオートフォーカスのグラフから見積もります。 オートフォーカスのグラフ このオートフォーカスのグラフでは、ピントを外から中に繰り込む方向に動かしています。右側のグラフが水平に動いている部分がバックラッシュを示しています。このグラフからバックラッシュを見積もると、40以上80以下というところでしょうか。 バックラッシュの補正値はすべて0に設定し、ピントノブにマジックでマークをしました。この状態で少しずつピント位置をずらし、マークが動き始める移動量を調べました。その結果、今回得られたバックラッシュは60でした。 オートフォーカスの設定 オートフォーカスを使用する場合は、バックラッシュをOUT側のみに設定することが推奨されています。そのため、バックラッシュはIN側を0、OUT側を60に設定しました。              以下は移動の状態を撮影したものです fig1     500 初期値500の位置にマーキング fig2     500→200 ピントを200の位置まで繰り込んだ状態 EAFの動作は500からダイレクトに200へ移動 fig3     200→500 ピントを200から500へ移動した状態 EAFの動作は560(500+60)へ移動した後再度500へ移動 初期の位置へ無事に復帰 fig4     500→800 ピントを800の位置まで繰り出した状態 EAFの動作は860(800+60)へ移動した後800へ移動 fig5     800→500 ピントを500の位置まで繰り入れた状態 EAFの動作は800からダイレクトに500へ移動 繰り入れ時はバックラッシュが補正され...

NIKKOR Z 40mm f/2.0の星像

  先日、新たにNikon Zfcに合わせて購入したNIKKOR Z 40mm f/2.0をテストしました。このレンズはフルサイズにも対応しているため、夏の天の川撮影にも適していると思います。テストに使用したカメラはNikon Z7で、撮影条件はISO3200、シャッタースピード5秒でした。取得した画像はやや暗めだったため、PhotoShop CCで同一条件で画像を少し明るく調整しました。中心部と四隅から500ピクセルを切り出したものをご覧ください。 出典 Nikon 製品情報ページより  中心部の星像は絞り開放からシャープですが、f2.0では中心部の星の周りに赤い色付きが見られます。この赤い色付きはf2.2でほぼ消失します。一方、四隅に関してはf2.0からf2.5までコマ収差が目立ちますが、徐々に改善されていきます。周辺まである程度の星像を維持するためには、f3.2かf3.5まで絞った方が良さそうです。なお、周辺減光はf3.5でも残っています。しかし、コンパクトで価格も手ごろなレンズなので、星空撮影には申し分ない性能です。 f2.0 f2.2 f2.5 f2.8 f3.2 f3.5 f4.0 f4.5 f5.0 f5.6

FSQ-130EDの画像まとめ Nikon Z7版

 2024年12月にFSQ-130EDと645レデューサーの組み合わせで撮影した画像をまとめてみました。順不同です。カメラは全てNikon Z7(HKIR)を使用しています。画像をクリックすると拡大されます。 Nikon Z 7(HKIR)   Takahashi FSQ-130ED with 645Reducer 0.7x 455mm f/3.5 ISO3200 60sx92 PixInsight ,PhotoshopCC 12/22/2024 ぎょしゃ座の散光星雲は画角的にFSQ-130EDのレデューサー焦点で収まりが丁度いいです。この対象はフラット、バックグラウンドの処理が意外に難しくて、PixInsightのMGC,SPCCに助けられました。 Nikon Z 7(HKIR)   Takahashi FSQ-130ED with 645Reducer 0.7x 455mm f/3.5 ISO3200 60sx97 PixInsight ,PhotoshopCC 12/24/2024 コーン星雲、クリスマスツリー星団の領域は散光星雲や反射星雲が入り混じってカラフルでよく撮影します。フォックス星雲は本物の狐の毛並みのようでお気に入りの星雲です。 Nikon Z 7(HKIR)   Takahashi FSQ-130ED with 645Reducer 0.7x 455mm f/3.5 ISO3200 60sx92 PixInsight ,PhotoshopCC 12/24/2024 オリオン大星雲の右のNGC1999もカラフルで美しいです。しぶめですが単独でも撮影されますね。 Nikon Z 7(HKIR)   Takahashi FSQ-130ED with 645Reducer 0.7x 455mm f/3.5 ISO3200 60sx92 PixInsight ,PhotoshopCC 12/22/2024 FCT-65Dと同じ領域をFSQ-130で撮影してみましたが、画角的にクラゲとモンキー星雲を両方撮影するならFCT-65Dのレデューサー焦点でした。当たり前ですが解像力はFSQ-130EDのレデューサー焦点です。FSQ-130EDとFCT-65Dは口径が丁度2倍違いま...

FCT-65Dの画像まとめ

去年撮影したFCT-65Dのまとめです。撮影はNikon Z7(HKIR)と年末セールで購入したASI6200MC Proを使いました。冷却カラーCOMSカメラは初めてですが最近はバンドパスフィルターも充実してきているので色々楽しめそうです。セールには勝てなかった。 ZWO ASI6200MC Pro Gain200 offset1 -5c 120sec.x50 Takahashi FCT-65D with FU Rreducer 0.65x fl260mm f/4.0  PixInsight ,PhotoshopCC 12/01/2024 ぎょしゃ座から牡牛座にかけて広がる超新星残骸Sh2-240をFCT-65Dとレデューサーで撮影しました。レデューサー焦点260mmに収まりがいいです。取り敢えずノーフィルタで、テストを兼ねて撮影しまたが、圧倒的露出不足でした。撮って出しでは全く存在が確認できません。 ZWO ASI6200MC Pro Gain200 offset1 -5c 120sec.x46  Takahashi FCT-65D with FU Rreducer 0.65x  fl260mm f/4.0 PixInsight ,PhotoshopCC 12/31/2024 今回はカメラをASI6200MC Proに変更し撮影したふたご座のIC443付近の領域です。新しいカメラの使い始めだったので冷却温度-5°c、露出時間は120秒と控えめに設定しています。 Nikon Z 7(HKIR)  ISO3200 60sx95 Takahashi FCT-65D with FU Rreducer 0.65x fl260mm F/4.0  PixInsight ,PhotoshopCC 12/01/2024 以前紹介した。レデューサー焦点のファーストライトの画像です。画像をクリックすると等倍で表示されます。 Nikon Z 7(HKIR)  ISO3200 60sx122 Takahashi FCT-65D with FC/FS Multi Flattener1.04x fl416mm F/6.4  PixInsight ,PhotoshopCC 11/07/2024 以前紹介した。フラットナー焦点の...

月が在ったけどN.I.N.A.でM13を撮影

  今回は少し進歩してTenmma2のパーキングを自宅からリモートで解除、N.I.N.A.のスカイアトラスからM13を導入、導入後プレートソルブして再導入、とりあえずど真ん中です。次にガイドを開始。オートフォーカスは概ねOKなんですが、バックラッシュの補正が不十分で、少しマニュアル調整しました。今回は少し進歩してシーケンスを使って撮影しています。撮影終了後、監視カメラで確認しながらパーキング操作しましたが、次回は撮影開始からパーキングまで自動化にトライする予定です。まだまだこれから。 ZWO ASI6200MC Pro Gain100 offset50 -10c 180sec.x115  Takahashi FSQ-130ED with 645Reducer 0.7x 455mm f/3.5 PixInsight ,PhotoshopCC 05/7/2025

N.I.N.A. ver3.1テストでそのままM3撮影

  健康的な生活を送るためにN.I.N.A.をインストールしました。撮影からパーキングまで自動化するのが目的です。夜更かしは良く無いですからね。 調べたところN.I.N.A.本体の他にプレートソルビング用にPlateSolve2とASTAPとそのデータベース、それにオートガイドのPHD2をインストールする必要があります。主に こちらのページ を参考にさせて貰いました。 1. ASCOM Platformのインストール 2. カメラ、FW、EAF、赤道儀のASCOM Driverのインストール   3. PlateSolve2、ASTAPのインストールそのライブラリーの設定 4. PHD2のインストール 5. N.I.N.A.ver3.1のインストール 6. N.I.N.A.とPHD2の設定 ZWO ASI6200MC Pro Gain100 offset50 -10c 180sec.x77  Takahashi FSQ-130ED with 645Reducer 0.7x 455mm f/3.5 PixInsight ,PhotoshopCC 05/4/2025 りょうけん座の球状星団M3です。メシエがカタログを作る切っ掛けになった天体らしいです。 それなりに初期設定して、まだ操作方法がよくわからないまま、スカイアトラスでM3を導入し上の画面で強引にM3をループ影中です。

PixInsightのみでLRGB合成ににトライ

PixInsightでのLRGB+Ha合成に挑戦(備忘録) 最近はカラーCMOSカメラでの撮影が多く、LRGB合成からしばらく離れていましたが、以前からの課題だったPixInsightでのLRGB合成に挑戦してみました。今回の処理は、正確には「LRGB+Ha合成」になります。 【使用機材】 望遠鏡:Takahashi Mewlon300CRS カメラ:Bitran BJ-73M フィルター:Astrodon LRGB・Ha 露出時間: L:300秒 × 42枚 R・G・B・Ha:各300秒 × 4枚 【処理手順】 1. L、R、G、B画像のWBPP処理 L、R、G、Bそれぞれの画像について、**WBPP(Weighted Batch PreProcessing)**を使用し、DarkとFlat補正を行って合成します。ここは比較的簡単なステップです。 2. Ha画像の合成 Ha画像の合成は少し厄介で、通常の処理ではうまくいかないことが多いです。主な原因は露出不足だと考えていますが、WBPP内のパラメータ設定を調整することで改善可能です。 今回は、WBPPの「Light」セクション内にあるImage Registrationのオプションパネルを開き、「Noise Reduction」の値を0から5に変更することでうまく処理できました。 3. RGB合成前の準備 RGB合成の前に、各RGB画像の位置合わせをStarAlignmentで行います。 位置合わせ後、LRGBCombinationを使ってRGB画像を作成します。 この段階では画像はまだリニア状態のため、ここでLRGB合成を行ってもうまくいきません。PixInsightではLab色空間を使用して合成するため、L画像にRGBを単純に重ねても失敗しやすいです。 MaxImDLやステライメージを使っていた頃も、毎回試行錯誤しながらパラメータを調整していました。 4. ヒストグラム調整(非リニア変換) HistogramTransformationを用いて、L画像とRGB画像の明るさや階調がなるべく近くなるように調整し、非リニア画像に変換します。 その後、再度StarAlignmentで位置合わせを行い、やっとLRGBCombinationで最終的なLRGB画像に合成します。 5. バックグラウンド補正 ...