今年も、はくちょう座の Sadr(γ Cygni)付近を撮影しました。
今回はモノクロカメラの QHY600M と Baader Narrowband Filter の組み合わせです。Hα、SII、OIIIの3波長をそれぞれ個別に撮影しました。
昨年は ASI6200MC Pro に、Hα+OIII と SII+OIII の2種類のDual Band Pass Filterを組み合わせ、そこから各成分を抽出してSHO画像に仕上げました。ワンショットカラーカメラでSHOを表現できるのは面白い方法でしたが、実際に処理してみると各成分のバランス、特に色合いの調整にはなかなか苦労しました。
そこで今年は、QHY600MでHα、SII、OIIIを別々に撮影し、昨年とは少し趣向を変えてHSOで合成してみました。
色の割り当ては、
Hα → Red
SII → Yellow
OIII → Cyan
です。
一般的なSHO(いわゆるHubble Palette)とはかなり違った色調になりますが、Hαを赤にすることで水素の豊富なSadr周辺の星雲を比較的自然な赤系で表現しながら、SIIとOIIIの分布の違いも色彩として見せることができます。
実際の画像処理には、PixInsightの NBColourMapper と NarrowbandNormalization を使用しました。
NBColourMapperでHα、SII、OIIIそれぞれの色を指定し、NarrowbandNormalizationで各ナローバンド画像のバランスを整えながら仕上げています。
SHOにはSHOならではの魅力がありますが、ナローバンド画像は必ずしも決まった色に割り当てる必要はありません。どの輝線をどの色として表現するかによって、同じ天体でもずいぶん違った印象になります。
昨年と今年、同じSadr付近を撮影していても、カメラ、フィルター、そして色の割り当てを変えることで、まったく違った表情の画像になりました。
天体写真は撮影すること自体も楽しいのですが、こうして同じ対象を違う方法で撮り、違う表現を試してみるのも面白さのひとつだと思います。

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